屋敷林を訪ねて…タクアン漬物用重し石の産地を解明!

【屋敷林を訪ねて…タクアン漬物用重し石の産地を解明!】
6月4日、11日、市内の屋敷林を訪ねながら、歴史や自然を訪ねるイベント、公民館市民企画事業「屋敷林を訪ねて─自然と歴史を知ろう─」に参加してきた。
 11日(土)13:00〜は気温29度もあり炎天下での市内探索になった。普段はなかなか入れない農家の庭先にいれていただけたのは貴重な体験だった。

 しかし、私がこの2日間で一番印象に残ったのは、今回の企画とはちょっとずれていたBBさんの漬物石の話だった。農家の裏庭に積まれている大きな丸い石や、石垣、花壇の仕切りなどに使われている石が、かつてタクアン漬けの重しに使った石だという。この言葉が、かつてのタクアン農家を探していた私のハートに刺さった。





 戦前戦後にかけて、西東京市は練馬大根の生産地でもあり、干し大根やタクアン漬けの産地だった。しかし、西東京市には石の産地や川などがないので、漬物の重しに使う石がない。はて、この漬物石はどこから運んだのだろうか? 多摩川か荒川か? いや、ちがう。

 山梨県笛吹川の支流から運んだのだそうだ。貨車1両に約150個の石を積んで汽車を使って、購入してきたようだ。その時の領収書が見つかったことや、漬物石のほとんどが花崗閃緑岩であることなどから石の産地を特定できるので、間違いはないという。多摩川からは、当時は運ぶための交通手段がなく、多摩川の石である可能性はないようだ。

蔵の中にあったタクアンを漬けた樽


 11月に発表されるという未発表のこの鮮度のある大発見の話は、実に馥郁たる香りのタクアンのように美味だった!


今度は、石神井公園ふるさと文化館に展示してある天井くらいまでの大きな漬物樽が西東京市でも見つかるといいんですが…。大きいし邪魔になるので燃やされてしまったのではないかと思っているが、万が一一つくらいはどこかの蔵に残っていてほしい、と願うばかりです。

石神井公園ふるさと文化館二階の常設展示室にある大根漬物用大樽。この中に練馬大根4000〜5000本漬け込むことができたそうです。