2012-06-04 「五」のサインといえば、多くの人が夏目漱石『葉虚集』(画像左)などの装丁で知られる橋口五葉(1880-1921年)を思い浮かべることと思う。画像右の佐藤紅緑『一直線』(昭和6年)の表紙にも「五」のサインがあり、てっきり五葉の装丁だと思った。しかし、目次裏に「装幀・口絵・挿絵 斎藤五百枝」とあり斉藤五百枝(1881-1966年)の装幀であることが分かった。五百枝50歳の時の装幀なので、この頃の五百枝は「少年倶楽部」の表紙などで活躍しており五葉の真似をしたとは思えないのだが……似すぎている。