装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
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装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
2012-06-04から1日間の記事一覧
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アルファベット1字だけのサイン解読は難しいが、漢字1字だけのサイン解読も結構困難だ。「絵ばなし世間學」(「キング」付録、昭和10年)の目次には48名の挿絵画家の名前が羅列されている。画像の挿絵に記された「光」のサインに該当する画家は「狩野光雅」「田代光」「中沢弘光」「吉田秋光」と4人もいる。消去法でいくと「田代光」が該当する。
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このサインは「kawzm」と解読したが、あとの「zm」はなんなんだ? という疑問が残る。画家名が川瀬成一郎であることがわかるが謎は更に深まる。さまざまな組み合わせを考えあきらめかけたころに、夢の中で「あっ、これは和洋折衷サインなのか」と気がついた。「zm」ではなく「ゑ」つまりよくサインの最後についている「画」を平仮名で書いたものにちがいない、と。ふ〜ッ、これでやっと快眠を得られそうだ。
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「五」のサインといえば、多くの人が夏目漱石『葉虚集』(画像左)などの装丁で知られる橋口五葉(1880-1921年)を思い浮かべることと思う。画像右の佐藤紅緑『一直線』(昭和6年)の表紙にも「五」のサインがあり、てっきり五葉の装丁だと思った。しかし、目次裏に「装幀・口絵・挿絵 斎藤五百枝」とあり斉藤五百枝(1881-1966年)の装幀であることが分かった。五百枝50歳の時の装幀なので、この頃の五百枝は「少年倶楽部」の表紙などで活躍しており五葉の真似をしたとは思えないのだが……似すぎている。
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