元の紙を再度利用できるように見返しを丁寧に外し、背に貼ってある寒冷紗も外す。新たに花切れを付けて、クータと呼ばれる筒状の紙を付ける。寒冷紗は新しいものに代える。こうして、見えない部分だけをバージョンアップし、再度、製本し直す。最後に丁寧にはがした見返しを丁寧に貼れば、元の状態に近い古本となりよみがえる。ちょっと見ただけでは、修復してあるのかどうかはわからない。そうかといって、この本を再度古書の市場に高く流通させようというわけではない。カローラやスバル360のエンジンだけを取り換えて、外部は昔のままにして乗るようなものだ。