題字がきれいだ! 

この本の創作文字は、恩地の書く図案文字の中ではかなり柔らかくしかも時代感覚にあふれていていい。大正末期から昭和初期にかけては図案文字が盛んに行われた時期で、図案文字集や創作文字集の類いが短期間のうちに沢山出版され、正に恩地が一番たくさん装丁の仕事をこなしていた最盛期ともぴったりリンクしている。『日本児童文庫』の題字もこんな時流に乗って作られた新しい感覚の文字である。