挿絵画家・伊勢田邦貴の略歴を作ろうと資料をあさっていたら、伊勢田邦貴自らが作った手書きの略歴が出てきた。しかし年号はほとんど入っていない。



伊勢田邦貴自らが作った手書きの略歴

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 年譜
大正10年(1921年京城〈現ソウル〉生まれ
昭和?年(19?年)官立京城師範学校普通科入学
         朝鮮美術展覧会入選
         (普通科4年)2回
         (   5年)
         演劇科1年中退
         挿絵の通信教育(現在の日本通信美術学
         園)受く(当時日本通信美術学校)
昭和?年(19?年)上京 紙芝居の仕事をする〈金の鳴る丘〉
昭和?年(19?年)結婚
昭和23年(1948年)小学館復刊小学6年生3C口絵 
         明々社冒険活劇文庫表紙等描く
         絵物語等(ドラゴンタイガー)
         新潮社の絵本(動物づくし)


もう一枚の印刷物の略歴もタイプアップしてみよう

略歴
伊勢田邦貴
KUNITAKA ISEDA

洋画(無所属)
出版美術家連盟副理事長
日本作家クラブ常任理事
1921年 京城(ソウル)に生まれる
戦後─ 邦彦のペンネームで、児童もの、一般向け雑誌、新聞の挿画中心に活動する
1966年 サンケイ児童文化賞受賞
1975年 日本作家クラブ絵画賞受賞

本名・伊勢田邦男で描いた作品14点がでてきた。出版社などに売り込みにこれを持って行くプレゼンテイション用に描いたのだろうか、「ユーモア物挿絵見本」と書いてある。実際に印刷物に用いられなかったとしたら、一般の目に触れるのは今回が初めての可能性が強い。

画面の隅に2605とあるのは、おそらく昭和26年5月ということだろう。そうだとすると伊勢田30歳の時の作品だ。



伊勢田邦男:画「ユーモア物挿絵見本」(昭和26年5月)



伊勢田邦男:画「ユーモア物挿絵見本」(昭和26年5月)



伊勢田邦男:画「ユーモア物挿絵見本」(昭和26年5月)



伊勢田邦男:画「ユーモア物挿絵見本」(昭和26年5月)



伊勢田邦男:画「ユーモア物挿絵見本」(昭和26年5月)



「ユーモア物挿絵見本」というが、今とは笑いのポイントが違うのか、どこで笑わせようとしているのかが私には、わかりにくい。





「さしゑ」4号(昭和31年6月21日)に掲載された伊勢田邦彦のスナップ写真と描き起しの挿絵