2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

五、菊判6号活字総振仮名付最新式の編輯法。

四、明治大正の不朽の名作悉く集まる。

三、内容充実し、普通版の四萬頁に相当す。

二、総額壱千円のものが毎月たった壱円。

一、本全集あれば、他の文藝書の必要なし。

「善い本を安く読ませる! この標語の下に我社は出版界の大革命を断行し、特権階級の芸術を全民衆の前に解放した。一家に一部を! 芸術なき人生は真に荒野の如くである。我国人は世界に、特筆すべき偉大なる明治文学を有しながら、英国人のセキスピアに於けるが如く全民衆化せざるは何故だ。これ我社が我国に前例なき百万部計画の壮図を断行して全国各家の愛読を俟つ所以だ。日本の第一の誇り! 明治大正の文豪の一人残らずの代表作を集め得た其事が現代第一の驚異だ。そして一冊一千二百枚以上の名作集が唯の一円で読めることが現代日本最大の驚

「円本」とは、「一冊一円の本」のことで、市内一円均一の料金で大都市を走ったタクシー「円タク」とともに、昭和初期における文化の象徴であった。1926(大正15)年11月、改造社は『現代日本文学全集』全37巻別巻一冊の予約募集を発表した。

『現代日本文学全集』内容見本(改造社、大正15年) 『現代日本文学全集』内容見本巻頭ページ(改造社、大正15年)威勢の良い前文をタイプアップしてみよう。

「本の手帳」への寄稿家でもあるかわじもとたかさんから最近上梓された『序文検索』(杉並けやき出版、2010.10、4,200円)を贈られた。かわじさんの4冊目となる著書で、序文執筆者名と執筆した書物一覧とでもいうべき内容。前回出版された『装丁家で探す本』は大変興味深く大いに利用させてもらったので、今回も楽しみにしている。

かわじもとたか『序文検索』(杉並けやき出版、2010.10、4,200円) 丸三年間、毎日毎日パソコンと古書目録に向かい検索し、入力する日々の結晶だという。収録した本は、12000冊以上、序文家は1600人以上にのぼるという。日本近代文学館に1年9ヶ月通い著作者…