2010-08-03から1日間の記事一覧

インターネットで堂昌一:装画・挿絵、笹沢佐保『潮来の伊太郎 大利根の闇に消えた』(読売新聞、1973〔昭和48〕年)を購入した。潮来の伊太郎といえば、1960(昭和35)年8月に発売された橋幸男が♪♪「潮来」の伊太郎〜ちょっと見なれば薄情そうな渡り鳥 それで〜いいのさ〜あの移り気な〜♪と歌う大ヒット曲「潮来笠」を思い浮かべるが、笹沢佐保の作品との関連はないのか? 歌のほうが先にあったのだろうか?

堂昌一氏をご存知ないかたも、もしかして「木枯紋次郎」(「小説現代」昭和46年)の挿絵画家といえば思い浮かべてくれる人もいるのではないでしょうか? この本は紋次郎ではないが、縞の合羽に三度笠、弓懸け(手っ甲)、脚絆にわらじ履きの股旅姿が紋次郎に…

1974(昭和49年)、恩師・岩田専太郎の死去により連載中の松本清張作「西海道談奇」(週刊文春)の挿絵を引き継ぎ、専太郎に勝るとも劣らない見事な腕を披露した。美人画で知られる岩田専太郎だが、堂昌一も艶っぽい女性を描かせたら決して引けは取らない。

堂昌一:画、松本清張作「西海道談綺」(「週刊文春」1974年) 堂昌一:画、松本清張作「西海道談奇」(「週刊文春」1974年) その後も、 1984年 森村誠一作「忠臣蔵」(週刊朝日) 1991年 杉本苑子作「汚名」(毎日新聞) 1995年 杉本苑子作「風の群像」(日本…

堂昌一氏は、「岩田先生の生前、先生の体調の悪い時に月刊『明星』や『平凡』のさしえのピンチヒッターをしたことも、いまは懐かしい想いでとなった。」(『堂昌一 さし絵画集』平成4年)と記しているように、専太郎のさし絵のピンチヒッターをするほどに認められていたようだ。

堂昌一:画、笹沢佐保「日暮妖之介」(「週刊小説」1972年)