2010-03-25から1日間の記事一覧

「明星」第8号の表紙について、さらに深く考察している論考があるので紹介しよう。木股知史『画文共鳴』(岩波書店、2009年)では、

「一條の表紙画の構図は、中宮寺半跏思惟像を下絵に、ミュシャのジョブのポスターを重ねることによって得られたのではないかというのが、私の推測である。それは、単なる合成ではなく、伝統という基層に西欧的要素を塗り重ねる、和洋の独特の配合によって仏…

第二「明星」第4号(明治35年4月)57ページの与謝野晶子「恋ごろも」題字脇に挿入された「MIYOJO」と文字が書き込まれた画家名不明の挿絵は、他の絵に比べて俄然西洋風で際立って目立っている。さらに、ミュシャの絵にも似ているようなので早速調べてみた。

第二「明星」第4号(明治35年4月)挿絵画家名不明、一條成美が描いたとも言われている。頭に掲げた星がアルフォンス・ミュシャ「サラ・ベルナール」ポスターより大きくなっているが、「明星」を強調したのであろう。 アルフォンス・ミュシャ「サラ・ベルナー…