2008-07-14から1日間の記事一覧

斉藤五百枝(さいとう いおえ 1884〜1966)

千葉県生まれ。白馬会研究所、東京美術学校洋画科に進み、岡田三郎助に師事。「少年倶楽部」創刊号から表紙絵を描く。少年小説、大佛次郎「狼隊の少年」「山嶽党奇談」、佐藤紅緑「あゝ玉杯に花うけて」、吉川英治「龍虎八天狗」や、時代小説、直木三十五「…

最近、私が集めている本はのほとんどが、1924(大正13年)の華宵事件で「少年倶楽部」から高畠華宵が去り、その後釜として活躍した挿絵家たちの本や挿絵が掲載されている本ばかりです。斉藤五百枝(さいとう いおえ)もそんな挿絵家の一人だ。どことなくノーマルで、特別強烈な個性があるわけでもないので、伊藤彦造や樺島勝一のようにスター的な存在ではなかったのかも知れませんが、人物を描かずに「少年倶楽部」の表紙装画を12年にわたって描いていたので話題性のある挿絵家でもあります。

『吉川英治全集 龍虎八天狗』(講談社、昭和43年)。練馬区立図書館の「除籍処理済」のシールが貼ってありますが、先月、武蔵野市立図書館で開催された除籍本を無料配布する古書市で、明らかに古書店さんだと思われる人が、段ボールで10箱分ほどを車に運んで…

特に目的がなく買ってしまった樺島勝一が挿絵を描く2冊。山中峯太郎『敵中横断三百里』(講談社、昭和50年)、海野十三『浮かぶ飛行島』(講談社、昭和50年)。写真かと見まごう見事な挿絵が、手の平で踊る感動を味わってください。宝石のように輝く小さなサイズの「少年倶楽部文庫」は全部揃えると42冊もあり、5〜8万円で全巻セットが購入できます。

装画:樺島勝一、山中峯太郎『敵中横断三百里』(講談社、昭和50年) 装画:樺島勝一、山中峯太郎『浮かぶ飛行島』(講談社、昭和50年) 挿絵:樺島勝一『敵中横断三百里』 挿絵:樺島勝一『浮かぶ飛行島』

挿絵:伊藤彦造『豹の眼』(講談社、昭和50年)、画集などに載っていない、挿絵を探していたが、この本には結構たくさんの挿絵が掲載されていて嬉しい本だ。

装画:伊藤彦造『豹の眼』 挿絵:伊藤彦造『豹の眼』

挿絵・伊藤彦造・『角兵衛獅子』、挿絵・伊藤幾久造『鞍馬天狗』など、かつて「少年倶楽部」に掲載された当時の挿絵がたくさん入っていて、昭和初期の感動がビジュアルとともによみがえってくる見ごたえ十分の文庫本です。今回ネットで購入した5点はすべて300〜500円と価格もお手ごろでした。

装画・伊藤彦造・大佛次郎『角兵衛獅子』(講談社、昭和50年) 装画・伊藤幾久造、高垣眸『鞍馬天狗』(講談社、昭和50年) 挿絵・伊藤彦造『角兵衛獅子』 挿絵・伊藤幾久造、高垣眸『鞍馬天狗』