2008-06-20から1日間の記事一覧

イラストレーションの力を見せつける話は、今回の『人間失格』が初めてというわけではない。話の内容は全く異なるが、1924(大正13)年に勃発したいわゆる「高畠華宵事件」にも、メディアを揺るがすほどのさし絵の力の大きさを見ることが出来る。

大正2(1913)年、華宵は知人を介して講談社に縁ができ、『講談倶楽部』に挿絵を描くようになる。翌大正3年には『少年倶楽部』にも描き始める。加藤謙一が編集長になった大正10年ころからは描く本数もふえ、話題作の「竹松の竹馬」などもてがけるようになる…