2008-04-11から1日間の記事一覧

挿絵の著作権っていったい誰のものなの? 石井鶴三は「大菩薩峠」新聞連載で描いた挿絵を1冊にまとめ『石井鶴三挿絵集第一巻』(光大社、昭和9年)として刊行した。中里介山はこの出版に「挿画は画家の作に非ず、本文の複製なり、その著作権は本文作者にあり」と、クレームをつけ、出版社と鶴三を訴訟した。

『石井鶴三挿絵集第一巻』(光大社、昭和9年) これが「挿絵事件」といわれるもので、介山と鶴三は挿絵の著作権を巡り10年にわたって争っていた。ことの発端は訴訟に発展する以前からくすぶっていた。 石井鶴三/挿絵、『石井鶴三挿絵集第一巻』(光大社、昭…