2007-05-02から1日間の記事一覧

三島由紀夫好みの贅を尽くした優れた造本

皮肉にも没後に刊行されたもう一つのシリーズ本、横山明装丁『三島由紀夫短篇全集』(講談社、昭和46年)とが三島本の中では秀逸で三島好みを知り尽くした装丁ではないだろうか。函には銀箔押しの文字が、表紙には空押しの模様が、背には色箔押しがほどこさ…

妖しくせまるシルクの本2点

・森林太郎『雁』(籾山書店、大正4年復刻版) この装丁は明らかに鷗外がエロチックな装丁を狙ったものである。高利貸の妾・お玉が医科大学生・岡田に恋い焦がれるというストリーで、お玉は主・末造の留守を狙って、思いを寄せる岡田を家に誘い込もうとする…

シルクを使った指先官能装丁

昔、コーデュロイ(ベルベット、コールテン)の足袋がとても高級そうで温かそうに見えたが、私は綿の足袋しか履いたことがなく、そんな昔の思い出がコーデュロイへのあこがれにつながっているのだろうか。暖かそうでぬめっとした肌触りの快感があるコーデユ…