【しん散歩(196)…西東京市市民福祉会館解体中!】

【しん散歩(196)…西東京市市民福祉会館解体中!】 
写真上=田無市市民福祉会館、昭和44年撮影(『写真で見るわがまち西東京』郷土出版社、2015年)より転載。
写真下=白黒写真と同じと思われる解体中の西東京市市民福祉会館を2022年3月16日に撮影。昭和44年に竣工しましたので、今年で53歳となり老朽化に伴い解体となりました。

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昭和44年に撮影した田無市市民福祉会館と2022年3月16日解体中の市民会館

 

コンクリートの建物の寿命は一般的に50年といわれていますが果たしてそうなのだろうか?
 
 
 
国土交通省がまとめた「RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例」によれば「鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定」(飯塚裕(1979)「建築の維持管理」鹿島出版会)、「鉄筋コンクリート部材の効用持続年数として、一般建物(住宅も含まれる)の耐用年数は120年、外装仕上により延命し耐用年数は150年」(大蔵省主税局(1951)「固定資産の耐用年数の算定方式」)となっており、十分に100年は超える耐久性があるものと考えられる。」(「LIFULL HOME'S PRESS」より)らしい。
 
伊勢丹新宿本店は、1933年に竣工した鉄筋コンクリート造の商業施設建造物の一例です。伊勢丹は、鉄骨を使用している鉄筋コンクリートの建物ですが、築86年という長きにわたって耐久性を維持しています。未だ建て替えるという話は出ておりませんので、これからも改修を続けながら、業を続けるものと思われます。
 現在の築20~30年の物件は、1981年6月から施行された「新耐震基準」の建物なのので耐震性を理由とした建て替えの必要がなく、今後、こういった物件が築100年を超える事例となってくるのかもしれません。