毎日通る通勤路の新宿サブナードで、今日から明日まで古本浪漫洲300円均一セールをやっていた。時間は気になるがちょっと立ちよって『世界名作全集 怪盗ルパン』(講談社、昭和29年)と佐藤達夫『植物誌』(雪華社、昭和44年)を購入してきた。



左)装画:山口将吉郎『世界名作全集 八犬伝物語』(講談社、昭和28年)
右)装画:高畠華宵『世界名作全集 怪盗ルパン』(講談社、昭和29年)


この全集は、有名な挿絵家たちが、本文中の挿絵までたくさん描いているのが何とも魅力的だ。おまけに古書価が安い。世界名作全集なので、翻訳物が殆どというところが全巻を揃えるのにはチョット躊躇しているのだが、挿絵が好きな人にはお薦めの全集だ。



挿絵:山口将吉郎『世界名作全集 八犬伝物語』(講談社、昭和28年)



挿絵:高畠華宵『世界名作全集 怪盗ルパン』(講談社、昭和29年)。
大正13年のいわゆる「華宵事件』で、一時、講談社との仲が悪くなった華宵だが、昭和13年に仲直りし、久し振りに「少年倶楽部」に「源吾旅日記」の挿絵を描く。その後第二次世界大戦をはさみ、この全集は、講談社との戦後最初の仕事だろうと思われる。美少年を描いていた頃の華宵とは、大部画風が変わってしまい、函を眺めていた時にサインを見つけるまでは華宵が描いたのに気がつかなかったほどだ。ちなみに装丁は梁川剛。


戦後、これらの講談社の『世界名作全集』や講談社の絵本シリーズ「しあわせの王子」「小公女」「雪の女王」の挿絵を描き始めた昭和23年には、華宵も60歳だ。確かに巧いし実力はみとめるものの、それでもさすがに往年の華宵のようなはじけるような輝きは見られなくなってしまった。

最近、図鑑の絵を描いたのは誰なんだろう、それぞれのジャンルに専門の画家がいたのだろうか、などということが気になり、古い図鑑などを集め始めた。この佐藤達夫『植物誌』(雪華社、昭和44年)はそんな流れの中での購入だ。



佐藤達夫『植物誌』(雪華社、昭和44年)



佐藤達夫『花の画集』(東京新聞社、昭和46年)