手書きのタイトルと装画で装丁をするお気に入りの装丁家5人を、私は「書き文字装丁家五人衆」と名付けている。





  



写真は上から順に
・芹沢ケイ介(*ケイ=金へんに圭)
棟方志功
佐野繁次郎
花森安治
中川一政
これが、私が勝手に選出した五人衆だが、小村雪岱の文字や恩地孝四郎の文字もいいけどどうなのよ、などと、当然異論はあるものと思います。
これは私が所有している本の中で
・手書きのタイトルの装丁であること
・タイトルと装画が同じ装丁家の作品であること
・文字が絵に溶け込んで一体となっていること
を条件にして選んだのが、これらの5人だ。

高橋忠弥もこれらの偉大な装丁家たちの仲間入りをさせてもいいのではないか

そんな風に思いまして、今回、ここに高橋忠弥追加を認定し、
「書き文字装丁家六人衆」と改名し襲名いたします。今後は、書き文字装丁といえばこの六人衆ということで売り込んでいきたいと思っています。




こうして並べてみても決して見劣りしないし、文字が絵になっているということでは最高だと思うんですが、どうでしょうか? われながらこの六人衆の選択は結構いいのでは、と自己満足です。『女の匂いのする兵隊』などどうよ、このナヨッとした色気。古書市で見つけたときは武者震いして鳥肌が立った。こんな装丁は今からは絶対出来ない。『加納大尉の妻』も文字までが妖艶で花瓶を夫人に見立て女性を描かずとも、女性を描ききっている。


他にもこんな装丁家がいるので加えて欲しい、という提案がありましたら教えてください。六人衆といわず、七人、八人と増やしていきたいと思います。

創作文字(図案文字)と手書き文字とは違う

筆や絵コンテ、鉛筆等を使って一気に描くのが手書き文字で、創作文字とは、下図を描き輪郭を書き込み、袋文字になった白い部分を塗り込むようにして、作り上げていく文字を創作文字として、これらの二つのタイトルをわけて考えています。

朝から講演会「私の好きな装丁家8人衆」のレジュメ作り

昨日は、朝6時に起床し、吉祥寺・古書「百年」で8月3日(金)20:00〜22:00に開催される「私の好きな装丁家8人衆」のレジュメ作りをした。最初は13人衆だったが、一人当たり10分も話せなくなってしまうので、「もう少し少ない方がひとりの作品について説明ができるのでは?」という百年の樽本さんの提案を受け入れて、泣く泣く5人を削った。



最初は25人もラインアップしてしまい、やっとの思いで半数にした経緯があった。あれもみてもらいたい、これも見てもらいたい、と欲張るとなかなか減らせない。8人にしても、一人の装丁家については10分ほどしか時間の割当がない。ちなみに8人の装丁家とは
橋口五葉  杉浦非水  恩地孝四郎  木下杢太郎  竹久夢二  村山知義  柳瀬正夢  斎藤昌三


村山・柳瀬のアバンギャルドな装丁や斉藤の番傘や蓑虫を使った装丁、杢太郎と凡骨のコンビネーションから生まれる伝統的な手摺木版画を使ったぜいたくな装丁など、たくさんもって行きますので、それをご覧になるだけでも楽しんでください。


「私の好きな装丁家8人衆」のチケット代(1ドリンク付)800円、定員45名。予約のお申し込みは
 hyakunen@ja2.so-net.ne.jp
 tel/fax 0422-27-6885
「百年」180-0004東京都武蔵野市吉祥寺本町 2-2-10村田ビル2F (吉祥寺東急の南隣り)
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